株主総会をライブ配信する方法と5つのメリット・デメリットについて
株主総会のライブ配信を検討している企業様向けに、配信する方法やメリット・デメリットを紹介しています。実施に向けて参考にして頂けると幸いです。
022年2月に経済産業省がハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドを策定しました。
その中では、足を運んで参加するための会場を用意するだけでなく、インターネットなどの手段を使ってライブ配信も行うタイプのバーチャル株主総会をハイブリッド型としています。
株主総会をライブ配信すれば、株主だけでなく会社にとっても利便性が高いので、今後も注目されていくだろう開催方法です。
本記事では、株主総会のライブ配信を検討している企業様に向けて、その方法やメリット・デメリットについてまとめています。実施の参考になれば幸いです。
ライブ配信による株主総会の事例
まずは、株主総会をライブ配信にて行っている事例をご紹介します。例えば以下の会社が開催しています。
・大成建設
・シダックス
・日本電気
・雪印メグミルク
・本田技研工業
・住友電設
・日立造船
他にも事例は多数ありますが、リアルの会場に集まって開催される株主総会を、ライブ配信でも並行して行っているケースがほとんどです。
従来の会社法規定では、株主総会を開催するための物理的な場所が必要でした。そのため、会場とライブ配信のハイブリッド型で株主総会を開催するパターンが多くなっていると考えられます。
しかし2021年に特例として、経済産業大臣・法務大臣の確認を受けた上場企業で、定款で定めてあればオンラインだけの株主総会の開催が認められました。
そこで、例えば以下の会社では会場を設けずバーチャルオンリーの株主総会を開催しています。
・ユーグレナ
・グリー
・Zホールディングス
・アステリア
株主総会をライブ配信する方法とは
次に、株主総会をライブ配信する方法についてご紹介します。主なポイントは以下の4つになります。
・ハイブリッド型は参加型か出席型かを決定する
・バーチャルオンリータイプは制度上の要件を確認する
・設備を検討する
・株主に通知する
1つずつ説明していきます。
①:参加型か出席型かを決定する
リアルの会場とライブ配信を活用したハイブリッド型の場合は、配信を視聴するのみの参加型にするのか、会場で参加する株主と同じ出席型にするのかを決定しておく必要があります。
参加型であれば、ライブ配信をただ傍聴している状態となりますので、株主総会への出席とは認められず総会中の議決権行使や質疑などはできません。そのため、事前に議決権行使をするか、会場で出席する代理人に委任することになります。
一方、出席型の場合はライブ配信を視聴するときでも、会場の株主と同様に正式な出席が認められるため、総会中の質疑や議決権行使が可能です。
②:制度の要件を確認する
会場は用意せず、ライブ配信のみで株主総会を開催するバーチャルオンリータイプの場合、経済産業大臣・法務大臣に確認を受ける要件として、以下の4点が規定されています。
・通信方法における責任者の設置
・通信障害の対策方針
・インターネットを使用することに支障のある株主に配慮するための方針
・株主名簿に記載や記録されている株主数は100人以上
③:設備の検討
ライブ配信用のカメラとソフトは最低限必要です。大規模なライブ配信でなければZoomなどのソフトと外部カメラ、収録用のマイク程度で可能です。ただし、ライセンスによる定員や配信時間の制限に問題があれば、アップグレードも検討しましょう。
他のWeb会議ツールでも配信はできますが、カメラの台数やピンマイク、ミキサーなどの音響設備、プロジェクターやスクリーンなどにも配慮が必要です。
さらに、レイアウトも検討する必要がありますので、ライブ配信が可能な会場を用意したりプロのスタッフに相談すると安心です。
④:株主へ通知
取締役会が決定した招集事項を記載して株主へ通知しますが、バーチャルオンリータイプの場合は、ライブ配信用のURLやログインID、パスワードなども記載する必要があります。
その後、記載した日時や場所、方法で株主総会のライブ配信が行われます。
株主総会をライブ配信するメリットとデメリットについて
最後に、株主総会をライブ配信するときに想定されるメリットとデメリットについて、それぞれ5つのポイントをご紹介します。
メリットとは
考えられるメリットとしては、株主との距離、複数の総会参加、コスト、密集、透明性の5つになります。
①:遠方の株主でも参加可能
会場を用意したときに、そこから距離的に遠い株主の場合は、会場近くの宿泊施設を検討することがあります。
ライブ配信によって株主総会が開催されれば、インターネットと視聴する端末を用意するだけで参加が可能になりますので、リアルの会場に足を運ぶ必要がなくなります。
宿泊する必要もなく、日本国外など距離が遠い株主でも参加しやすいのはメリットでしょう。
また、開催する会場を設けないバーチャルオンリータイプであれば、開催場所を考慮する必要がなく会社側にとってもメリットになります。
②:複数の株主総会に参加しやすい
株主によっては、複数の会社株を所有している場合もあります。そうすると、株主総会が開催される時期が重なりやすく、複数の総会へ出席するのに負担となるケースが考えられます。
そこで、ライブ配信がされれば1社はオンラインで参加して、もう1社はリアルの会場で出席といったように選ぶことができます。
結果的に、複数の株主総会に参加しやすくなり、株主の負担軽減になる点もライブ配信のメリットでしょう。
③:コスト削減
株主総会を開催する会場は参加する人数を収容できる規模が必要ですが、大型の会場を用意すればそれだけコストがかかります。
そこで、ライブ配信を取り入れれば、会場の規模をある程度抑えることが可能です。特に、バーチャルオンリータイプであればライブ配信ができれば良く、収容人数の多い会場を用意する必要がなくなります。
そのぶん、コストを抑えることができるのはライブ配信のメリットです。これは、株主総会を開催する企業にとっての利点ですが、遠方の株主にとっても宿泊や移動のコストを削減できる点で同様でしょう。
④:密集を防ぐ
新型コロナウィルスなどの感染症対策として、密集を防ぐ必要性が近年取り上げられるようになり、イベントなど多くの人々が集まる機会は避けられるようになってきています。
株主総会も、多くの人々が1つの会場に集まるイベントとして、感染症対策の必要があります。
そこで、ライブ配信を活用すれば、人々が密集するような状態を軽減することができますので、参加する株主にとっても安心です。
⑤:株主総会の透明性向上
1つの会場に集まる形式の株主総会では、どうしても参加が難しい場合があります。そこで、ライブ配信を活用すれば出席できる機会が広がり、それだけ情報を開示できるという点でも有効的です。
総会で取り扱う内容に関して透明性の向上は大切なポイントですので、ライブ配信を取り入れるメリットとなります。
デメリットとは
メリットに対して、デメリットはどのような点があるのでしょうか。肖像権、サポート、セキュリティ、反応、手間の5つについて取り上げてみます。
①:肖像権
会場とライブ配信のハイブリッド型で株主総会が行われるときには、配信で映る対象を会社の経営側と総会の運営側にできるだけ限り、会場で参加している株主側が映らないように配慮されます。
しかし、タイミングによってはカメラフレームに収まってしまう場合があり、会場で参加している株主にとって、そのタイミングを知ることは難しいでしょう。
知らない間にライブ配信に映り込んでいたとなると、肖像権の問題にも関わってしまうので、適切な会場レイアウトをチェックするなど対策が必要です。
この点は、会場を設置しないバーチャルオンリータイプでは発生しませんが、ハイブリッド型のライブ配信で株主総会を開催するデメリットの1つです。
②:サポート体制
ライブ配信で株主総会が行われるときに、映像が途中で止まったり音声が途切れたりといったエラーが起きてしまうと、会社に対する株主の印象も悪くなってしまいます。
そういったトラブルがないようにインターネット回線などを充実させておき、サポートできる体制が必要です。
さらに、手順書や問い合わせ先などをライブ配信の視聴にあまり慣れていない株主に用意したりと、サポート体制を検討しなければならないのはデメリットでしょう。
③:セキュリティ体制
インターネットを使ってライブ配信する際に、視聴用のIDやパスワードが必要になりますが、そのようなアクセス情報は適切に管理しなければなりません。
情報が漏れてしまうと、ライブ配信に参加している株主情報が確認できなくなるだけでなく、セキュリティに不安があることで会社の信頼性にも関わります。
また、サイバー攻撃などのハッキングにも対策を講じなければならないため、セキュリティ体制に関する問題はデメリットとも言えるでしょう。
④:反応が分かりにくい
会場に集まって株主総会が開催されると、経営側と株主側がそれぞれの反応を当日知ることができます。
これは、対面しない状況になるライブ配信では難しく、デメリットとなります。例えば、進行していく段階で株主側の表情が見えないと、総会の内容をどのように受け取られているのか分かりません。
アンケートを活用するなど、反応を知るための工夫が必要でしょう。
⑤:準備の手間
株主総会の会場だけでなく、ライブ配信をするためには機材なども必要です。さらに、インターネット設備も整えたりと、準備には手間がかかります。
また、何かトラブルが起きたときにはどのように対応するのかシナリオを用意したり、進行のリハーサルを行ったりと、開催までに必要なことが増えるケースがあります。
場合によっては、後日問題にならないように顧問弁護士にあらかじめ相談が必要です。
株主総会のライブ配信はプロに任せよう
以上、株主総会をライブ配信する方法とメリット・デメリットについてご紹介しました。
入念な準備をして総会の当日にトラブルが起きないようにしなければなりません。そのためには、プロに任せるのも検討してみてはいかがでしょうか。
弊社ファーストトーンでは映像制作だけでなく、イベントや周年行事などでのスクリーン・音響オペレーション等、プロフェッショナル集団による現場サポート経験も豊富にありますので、お気軽にご相談ください。
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監修者
医師
山田 太郎
山田 太郎は日本の著名な医師であり、糖尿病治療の専門家です。30年以上の経験を持ち、多くの患者を支援してきました。